IN GOD’S IMAGE
テヘランで生まれ、現在はニューヨークで暮らすモハマドとメディの兄弟によるエレクトリックユニット、Saint Abdullahの２枚組CD、全20曲111分。2020にはこの作品の前にフルレングスのカセット”Where Do We Go, Now?”もリリースしている。この精力的な活動には驚くばかりだが、今作には”Afro Futurism”の活動家であり女性詩人のムーア・マザー、白人サックスプレイヤー、トラビス・ブランテが参加している。この素晴らしいジャケットが示すとおり、彼らはイスラム教シーア派にシンパシーを感じてるようだが、この作品のゲストにも現れているように、彼らはもっと自由で開かれている。とは言うものの聴き手を選ぶ作品であることは間違いない。ムスリムガーゼ的インダストリアル、フリージャズ、イスラミックDUB等、中東を巡る世界情勢を象徴するかのように混沌としている。２時間近くを聴き通すにはそれなりの忍耐がいるが、苛烈な中東情勢を考えると現実が反映された音なんだと思う。
