Kofū / 古風
広島のアーティスト冥丁の”日本のムード三部作”の最終章。”怪談”、”小町”と江戸時代を通り過ぎ、いよいよ近代日本の文明開化期に突入する。このアルバムでは律動のある曲が多く、環境音楽ではない歌舞音曲の幕開けを感じさせてくれる。電灯が灯り世の中は明るくなったように見えたが、闇は一層色を濃くしていった時代である。ノスタルジーの手法を使わず、新しい舞踊曲を冥丁は作り上げている。ラップが乗っても映えるような曲もある(悪い意味ではありませんよ)。人はあの頃よりどれだけ進化したのだろうか。。。余談だが、冥丁には1926年の無声映画”狂つた一頁”(監督:衣笠貞之助)に新しい劇伴をつけて欲しいと思っている。100年近くが経過したいま、何が変わり、何が変わってないのか。冥丁の音楽によって、それがより明確に炙り出されるはずだから。