Phoenix: Flames Are Dew Upon My Skin
歌声と楽曲の良さだけで勝負する、それは簡単なことではない。彼女は去年2019年にMIX TAPE”High Tide”を配信のみでリリースしている。こちらはオンタイムでTRAP的な楽曲が並び完成度も高く、ヒットチャートも狙えそうなポップなアルバムになっていた。作り込まれたジャケットも良かった。これはあくまで個人的な見解なのだが、始めは2018年の”Irisiri”に続くアルバムとして構想していたのではないか？ それを何かの理由で棚上げし、配信のみでひっそりとリリースしたような気がする（あくまで私見です）。そして2020、このケツ丸出しのカヴァーで彼女はやっと「アルバム」をリリースした。タイトルは”不死鳥：炎は私の肌で雫となる”。サウンドはアコーティスティック楽器、僅かな電子音と加工。そして彼女の生々しい声。掠れた彼女の声は感情を直接震わせる。哀しみと諦観と僅かな希望。これは彼女の最高傑作だ。どうもありがとう。
